ワルツとパンデミック。

ワルツには祝賀や癒しのイメージがお似合いですが、歴史的には裏の顔がつきまとっているそうです。

 

ワルツはヨーロッパにペストやコレラスペイン風邪(インフルエンザの一種)が蔓延していた時代に大流行した音楽だと伝えられています。

 

“ワルツ王”ヨハン・シュトラウス2世の傑作ワルツ、「美しく青きドナウ」には1867年の作曲当時、この曲名は与えられていませんでした。

曲名の起源については、今も明らかではないそうです

 

一方、今に伝わる歌詞は、その23年後コレラと敗戦に打ちひしがれたウィーンで、新たな、そして社会風刺、抗議の寓意を込めたものとしてフランツ・フォン・ゲルネルトによって制作されました。

 

この歌詞を得たことによって大流行した「美しく青きドナウ」は、やがてオーストリア「第二の国歌」と呼ばれるに至ります。

 

歌詞の寓意は江戸時代末期の“ええじゃないか”と通じていますね。

 

明治時代、日本の大都会でもコレラがしばしば流行しました。

しかし、コレラ上水道の整備によって見事に制圧されました。

 

一時期、アスピリン投与によって劇症化を極めたスペイン風邪の方は人間に本来、備わっている自己免疫によってアッサリと乗り越えられました。

 

今も昔も、大切なのは公衆衛生と自己免疫なんですね。

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